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最新号 3月の奈労連新聞

岸田内閣は年金額を引き下げるな【1面】ー 1

最低8万円をすべての65歳以上の高齢者に支給せよ、と要求年金者一揆の座り込み

大企業の職場や組合に加入したばかりの労働者も参加し、会場からの発言も行った。

2月15日(火)、近鉄奈良駅前20名が参加  全日本年金者組合奈良県本部

年金者組合が2月15日、「年金一揆座り込み行動」を行った。偶数月の15日が年金支給日となっているために、全国で一斉に行っている。

県本部を代表して、西本信一委員長と藤垣全弘副委員長が挨拶。西本委員長は、「厚労省が1月21日に、2022年度の年金支給額を0.4%引き下げることを発表したが(*物価・賃金どちらもマイナス変動なのでマクロ経済スライド制度は発動されず、マイナス3%引き下げは次年度送り)、オミクロン株による爆発的な感染拡大と医療崩壊の危機、灯油の高騰、食料品の価格上昇という厳しい現実を見ない決定だ。断固抗議する。」「年金者組合は最低8万円をすべての65歳以上の高齢者に支給せよ、と要求している」「当面は3.3万円(*@高齢者の約2割を占める無年金者にも支給 A現在老齢基礎年金をもらっている人は上積みがある B財源は現在の基礎年金の国庫負担金に6億円付け足せば可能)を政府に要望している」と説明し、訴えた。

また、奈労連から松本俊一奈労連議長から「新自由主義を許さず、この春闘で最低賃金を引き上げ、男女格差、非正規労働者の正社員化、雇用の安定化などの闘いを年金引き上げの闘いと一体のものとして取り組んでいきたい」と挨拶があった。竹末和美奈労連事務局長も応援に駆け付けた。最後は参加者全員で「ガンバロウ」を三唱した。(加藤)

主張 【1面】

主張

奈良の866円は低すぎる 東京は1014円、大阪は992円【2面】

最低賃金引き上げを

岡本浩さん(仮名・50歳)

大和郡山市在住の奈労連・一般労組員の岡本浩さん(仮名・50歳)にインタビューした

◆シャープ大和郡山工場にある社員食堂で、11年間働いています。とても忙しい職場で朝8時から夕方時までの勤務です。今の時給は900円ほどで、ぜひ1500円にしてほしい。その理由は生活をするのに困難だから。そして、もし何かあった時にも何もできないから。

◆78歳の母と2人暮らしで、手取りは毎月10万円ちょっとで、うち5万円を家に入れ、母の年金で暮らしています。生活にゆとりはありません。岡本さんは奈労連に相談し、一般労組に加入しました。「辞める人が出たら、すぐに従業員を入れてほしい。辞めないように給与をあげてほしい」ということが要求です。

学校法人奈良学園事件 大学教員にとっての労働問題【3面】

『コロナ禍の下での学生の学びと大学の役割』(京滋地区私立大学教職員組合連合編・ウインかもがわ発行)掲載の井上真理子氏論文より一部転載する。(編集部)

大阪高裁での和解協議に参加。支援する組合員と弁護士ら。(2021年2月)

ー奈良地裁判決を中心にー 「整理解雇法理」の適用

もっぱら使用者の事情により行われ労働者には責任が無い「整理解雇」では、 使用者の解雇権の濫用にならないよう、整理解雇の4要件(@人員削減の必要性、A解雇回避努力を尽くしたか、B人選の合理性、C整理解雇手続きの相当性)を充たしていることが要求される。 しかし、それ以前に大学の学部等の廃止による教員の整理解雇に対しては、この「整理解雇法理」が適用され得るのか、という問題が存在している。大学教員は特定学部の特定専門科目の担当(職種限定)として雇用されるので、学部が廃止されれば当然その雇用契約も終了するというのが奈良学園の主張であった。これに対して奈良地裁判決では「仮に原告らと被告との間に職種限定の合意があったとしても...いわゆる整理解雇法理の適用が排除されるものではない」としている。また、奈良学園事件と同じく学部廃止に伴い教授ら3名が解雇された大乗淑徳学園(淑徳大学)事件でも、東京地裁判決では「...同学部の廃止及びこれに伴う本件解雇について原告らに帰責性がないことに変わりはなく...(学部限定、職種限定の有無は)本件解雇の効力を判断する一要素に過ぎない」として、いずれも整理解雇法理の適用を認めた。

2.人員削減の必要性 一法人の財政問題一

奈良学園は、人員削減の必要性を裏付けるものとして、逼迫した財政状況を主張した。これに対し原告側は、日本福祉大学の新谷司教授に『鑑定意見書』の執筆を依頼した。この鑑定意見書は大変有力で、奈良学園の「逼迫した財政状況」の主張を完全に覆した。 鑑定意見書では、奈良学園の財政基盤が盤石であり、法人が主張する「資金ショート」の危険性が皆無であることを明らかにした。さらに、奈良学園の貸借対照表には巨額の金融資産が計上されており、新学校法人会計基準における資金収支計算書の教育活動資金収支差額が赤字であっても、その赤字を補填できることは明らかであり、「資金ショート」の危険性は皆無であると結論付けた。 その結果、判決では「当該教員を解雇しなければ被告が経営破綻するなどの逼迫した財政状態ではなかったのであるから、被告においてビジネス学部及び情報学部の教員を削減する必要性が高かったということはできない」と述べている。

3.解雇回避努力は尽くされたか

奈良学園の解雇回避努力は、大学教員としての雇用継続に向けられなかった。しかし、判決では「原告らは...大学教員であり、高度の専門性を有する者であるから、教育基本法9条2項の規定に照らしても、基本的に大学教員としての地位の保障を受けることが出来ると考えられる」と述べ、大学教員に対する解雇回避努力における遵守すべき基準を打ち立て、意義深いものと考えられる。

ロシアのウクライナへの軍事侵略に抗議【4面】

2月25日 奈労連議長・松本俊一

2月24日に起こったロシア軍のウクライナ領への軍事進攻は、許すことはできない。断固糾弾し、直ちに撤退することを求める。
戦争で常に犠牲になるのは労働者と、その家族である。
日本政府には、ロシアの侵略行為に断固抗議するとともに、憲法9条を活かした対話と協力の外交努力を強めることを改めて求める。

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お知らせ・行事予定

3月の日程

5日(土): 原発ゼロ・被災者支援奈良のつどい
9日(水): 早朝宣伝
回答集中日
10日(木): 統一行動
11日(金): 重税反対行動
15日(火): デイーセントワークデー
17日(木): 春闘共闘会議常任幹事会

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